御義口伝 妙音菩薩品第二十四

妙音品三箇の大事

第一 妙音菩薩の事

 「衆生の苦しみ、悩みに応じて、それを解決していくのが慈悲であり、その行為、生命活動が菩薩である。別して言えば、南無妙法蓮華経と唱えるのが妙音なのである。苦を抜き、楽を与えていくのが菩薩の音声であり、これを妙音菩薩という。現在、学会の多角的、立体的な諸活動において、あらゆる分野にあらゆる姿を示現して妙法の偉大さを証明し、弘通していくのである。そこに一貫して流れるものは、慈悲であり、折伏精神である。

一度折伏された人が、どんなに反対しようと、またどんなに偉そうなことを

言って理屈を並べようとも、いざどうしょうもない悩みにぶつかったときに、南無妙法蓮華経を思い出すという例は枚挙に暇がない。

犬がワンワン哭くように赤ん坊がオギャーと泣くように南無妙法蓮華経と唱えることが最も自然な生命んお本能的な語言音声なのである。」

第二 肉髪白  の事

 われらの生命が誕生した始めは、一切が赤色であり、肉髪の相である。死後白骨となるは白  の相である。

 生の初めは、細胞分裂しながらその本質を明らかにしていく事が隨縁真如の智として捉えられ、死後の白骨は最早変化する事がないゆえに不変真如の理として捉えられるのである。

赤白二滴今経に来たって肉髪白  の二相と顕れたり。白  とは父の精子、

肉髪は母の卵子。

偉大な人物は見上げるような巨人を想う ~ 肉髪相

智慧ある師の眼光は心の隅々まで照らす ~ 白 相

キリスト教における「処女懐胎」という奇跡に求めた不合理さや、東洋における、儒教による性を卑しむ伝統等には不自然さが付きまとう。

第三 八万四千七宝鉢の事

頭上の七穴(目、鼻、口、耳)。生命活動しゆく上で重要な働きをなす。

曾谷殿御返事(成仏用心抄P、1,055)に「されば境と云うは、万法の体を云い、智と云うは自体顕照の姿を云うなり、而るに境の淵、ほとりなく深きときは

智慧の水ながるる事つつがなし、此の境智合しぬれば即身成仏するなり」

「また既に上行菩薩、釈迦如来より妙法の智水を受けて末代悪世の枯稿の

衆生に流れかよはし給う是れ智慧の義なり。釈尊より上行菩薩へ譲り与え給う然るに日蓮又日本国にして此の法門を弘む」と申されている。

「鉢とは智慧の器」

御本尊を信じて妙法の智水を受持するのがこの鉢の本義なり。題目をあげ折伏をするのは、日蓮大聖人に対する最高の御供養である。末法は冥益であり、その時は気ずかなくても何年か経って信心で得た人格や滲み出る福運、それらは無上宝聚不求自得である。

総勘文抄に「神通とは神(たましい)の一切の法に通じてさわりなきなり。此の自在の神通は一切の有情の心にて有るなり。故に狐狸も分分に通を現ずること、皆心の神の分分の悟り也。一代聖教とは此の事を説きたるなり。

「然れば、八万四千の法蔵は我が身一人の日記文書なり」

生命の本質に目覚めたとき、生老病死(四苦)は最早悩みではなく、生死即涅槃と変わっていく。それを自分で体得するには、妙法の智水を受持する以外にない。

以上 要旨記述 2013/08/16

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