与 富木殿等弟子檀那
<背景と大意>
・塚原の三昧堂(一間四面の堂)にて5か月間(日興上人常随給仕)
佐渡念仏充満せり(鎌倉念仏よりタチが悪い)
阿仏房・千日尼夫妻、国府入道・最蓮房など入信
・念仏者、禅、律僧の唯阿弥陀仏、生喩房らが共謀、本間六郎佐衛門の尉重連
(守護代)に日蓮殺害をそそのかすも聞き入れられず。
・塚原問答: 佐渡はもとより越後,越中、出羽、信濃等の念仏者共らが法論を挑むが全て破折されるに至る。後に印性房弁成(念仏の棟梁)再度法論に挑むが悉く敗北(法華浄土問答抄)
・開目抄上・下 二巻(二月)四条金吾に与える。
“日蓮は日本国の諸人にしうし父母(主師親)なり”
・二月騒動(北条時輔の乱):時宗への策謀 ~ 自界叛逆難の予言の的中
- 論釈等の送付を依頼する
- 不惜身命の信心を勧める
- 折伏こそ時機に叶う修行と明かす(邪智謗法・破法の国)折伏に限る
“弱きを脅し、強きをおそる”“強敵を伏して始めて力士を知る”
- 自界叛逆難の予言的中を挙げる
“外道悪人は如来の正法をやぶりがたし、仏弟子等必ず仏法を破るべし、獅子身中の虫の獅子を食む”
- 留難も先業によるを明かす
“我この度の御勘気は世間の失一分もなし”~三悪を脱れんずるなるべし
- 一国謗法の根源を示す
末法の日本の衆生が釈尊の脱益仏法によっては救われない。本未有善の機根であり、三毒強盛の堕地獄の衆生なり。
念仏者の臨終が狂乱頓死の姿に疑念を抱く。寿量品でも救われずに地獄守に留められた一闡提人が子孫を生み広げた日本国の一切衆生を今は天台宗(台密)さえも謗法に加担している。
第7章、謗法の罪報を今世に転ずるを明かす
① 軽しめられる ② 顔形が悪い ③ 着物が不足 ④ 粗末な食べ物 ⑤ 財が得られない ⑥ 貧賤の家に生まれる ⑦ 邪見の家に生まれる ⑧ 王難に遭う
第8章、自身の滅罪と誹謗者の造業を示す
衆生が謗じても強いて折伏し、下種して逆縁により救うしかない。
第9章、愚痴の門下を戒める
“日蓮御坊は師匠にてはおわせども余りにこわし我らはやわらかに~”
第10章、本抄の閲読を勧める
以上