牧口常三郎の思想1

創価学会関連書籍等

牧口常三郎の思想=1

、牧口先生とカントを語る(上)

   熱情なくして偉大なものは、成就された事がない。~(賢者の皇帝)カントの言葉

   「純粋理性批判」  ~  「真、善、美」の哲学体系の中核をなす理性批判

   カントの宇宙観、人間観、宗教観、平和観  ~  「煌めく星空と内なる道徳律」

   人間の生き方、人間の価値 ~ 正しき生き方を教えてくれた父母に感謝。(人の振る舞いに

   あるとする仏法の究極に近い。)

  牧口先生とカントを語る(中)

   「人間を手段にするな。」  ~  政治家の二枚舌と、聖職者の偽善を批判。

   人間は、使命があって地球に誕生した。人間の尊厳をいかに守り輝かせていくか、それを

   自覚すべきだ。牧口先生の価値論も「美」の価値を重視している。カントの哲学「美」は人間を

   善へと促す力と捉え、芸術の最高の地位は詩(うた)であるとする。そして人間を善へと革命

   することを真の宗教と呼ぶのである。ところが宗教の本質ではない儀式や規則を中心にし

   本来は奉仕すべきである聖職者が人々に命令し、支配し、奴隷のように従う事を要求する。

   これでは何のための宗教なのか、人間のための宗教であり、国家であり政治ではないのか。

   カントは200年以上も前に法華経に着目し言及している。

   牧口先生は獄中にあってもカントの哲学を読み、東洋仏法の真髄を世界宗教への道を拓く

   糧とされていた。

  牧口先生とカントを語る(下)

   母校に生涯を捧げたカント。私は私の道を行く” ~ 教育で世界市民の連携を目指す。

   「善の実現と拡大」に努力する人間の結合が「永遠平和」に繋がるとするカント。

   牧口は、社会の行き詰まりの根底に、哲学、思想、教育の行き詰まりがあるとし、人生の目的

   は何か、その目的のために何を価値とすべきか、どう創造し行くのか、この根本問題に答える 

   大哲学こそ日蓮大聖人仏法にあることを発見されるのである。

   そして、価値論「美、利、善」は人生の目的である幸福をもたらす指導原理であるとし、「人生

   地理学」とあわせ創価教育学体系として、”社会のための教育から教育のための社会”を目

   指し人間のための、そして子供達の幸福のための教育者論を世に問うたのである。

   学問は、学者の虚栄の道具ではない。 ~  カント

   学問は、人類の福祉を目的とすべし。  ~  牧口

 世の識者はもっとこの偉大な「知」の牧口常三郎氏を知るべきである。そして国家は謝罪

  名誉回復を国民の前に明確にすべきである。

、教育のための社会を目指して(社会のための教育から)

   教育の目的は子供達の幸福にある。 ~ 入学難、試験地獄、就職難で苦しむ生徒達。

   教育とは知識を与える事ではなく、いかに学ぶかという事を教える事ではないか。

   国家主義的な一方的に押し付けるやり方を批判。考える力を養う教育。劣等性も優等生にし

   てみせる教育。

   遺産は相続できるが、幸福は相続する事はできない。 ~ ノーベルの言葉

 *価値を創造するための教育

   現代のように、政治偏重、経済偏重、科学技術偏重の社会にあっては、物の見方や考え方

   が乱れてしまい、正しく認識せずに、軽薄な人の考えを評価し、物事を一方的に判断する

   風潮がはびこってしまう。自分自身の力で、「価値を創造できる人間」や「自他ともの幸福を

   創造できる人間」を輩出する教育が強く求められている。

 *教育革命から宗教革命へ

   しっかりした教育を受けていれば、宗教の教義についても聖職者の行動についても、正しい    

   判断が出来る。日本人の国民性として、自分より力を持つ人の思惑に対して従順に従うという

   気質と、権威の言いなりになってしまい、いとも簡単に世間の噂に踊らされる。これではいつ

   までたっても民衆は利用されるだけである。人々が人間の変革を求めるようになってはじめて、

   創価思想にもとずいた行動が正当に認識評価されることになるだろう。「人生地理学」の課題

   は開かれた人間を育てる事にある。

   第一段階   軍事的競争の時代(武力)

   第二段階   政治的競争の時代(権力)

   第三段階   経済的競争の時代(財力)

   第四段階   人道的競争の時代(人間力、人格)

 *日本の島国根性

   度量が狭く、排他的でうぬぼれが強く、小さな境涯で満足する。自分勝手で保守的で一時逃

   れを繰り返し、人の足を引っ張り、貶めようとする。外国人には尊大に振舞う一方、内心は疑り

   深く恐れている。閉ざされた人間をつくり出すシステムが働いている社会。

   牧口の教育論は、開かれた人間をつくり育てるための「創価教育学体系」として結実。

   他者への依存から自力した生き方、さらには貢献的な生き方へと一人一人が向上し輝く。

、正視眼の生き方 ~ 価値論はあくまでも仏法への梯子段

   人生の目的は幸福であり、幸福とは価値の追求、つまり「美、利、善」の価値を創造するとい

   うことが幸福をつかむための方法である。

   「美」とは 芸術、文化

   「利」とは 経済的、合理的、能率的価値  ~  生活上の役に立つ

   「善」とは 社会的な価値

   大善生活の勧め ~ 自行化他の信仰生活の勧め。

   依法不依人、無慈詐親是彼怨也、為彼除悪是親也

   大悪と闘わず、闘えないのは利己主義であり、ただ世間の人に褒められたい、良い格好を

   したいという臆病さのせいであり、愚人に褒められたるは、第一の恥なり。”

 *民衆救済の根本原理

   大悪に反対すれば大善になる  ~  極悪と闘う事が正義(難を呼び起こす信心)

   絶対的な善(宗教)と 相対的な善(科学)

 *一生成仏の方程式

 1、師弟不二が宗教の魂

   師の教えを信じ、言われた通りの実践をして、結果の有無を確認してから、その法への信不

   信を決める以外にない。先人達に教わってはじめてその重要性がわかるようになる。

 2、理の一念三千(学ぶのみの宗門)と 事の一念三千(如説修業、折伏する学会)

   戦前から戦中にかけて亡国と化す。戦後学会により蘇生しSGI(世界)へと発展。

 3、信、行、学が一切の基本

   何を信じ、いかに信ずるか。

 4、「真理の認識」と「価値の創造」

   不変真如の理(理の一念三千)と 随縁真如の智(事の一念三千)

、人間の生き方(見分けのつく生き方)

 1、強者にへつらい従い、弱者には傲慢となる。スパイのように偽り親しむのを処世上では当然と 

   心得るタイプ。

 2、正直であり、誰にも悪くは言われない、自我独楽の弱い小善者。

 3、自己のみの幸福に満足できず、正義のためには敵をも恐れず、心にもないお世辞は言えず

   損と知りつつ偽り親しむ事の出来ないタイプ。

 *人材の三要素

 1、確固不動の精神 ~ 負けじ魂の人

 2、楽観主義の人 ~ 希望の人、信の人

 3、勇気ある人 ~ 声仏事を為す

   善なる力を結集せよ。” ~ 創価人間学

、創価教育学  価値創造  知識系統

  ・真理の認識 (内潜創造)  真、善、美と認識される価値

  ・価値の創造 (外顕創造)  利、善、美と作り出される価値

   真理の概念 (実在の本質) と 法則(変化の本質)の区別

   価値の美的(美) と 利的(私利)公利(善)の区別

 *「価値創造」の概念(術語) ~ 知的共有財産

  大正デモクラシーの常識(価値創造)が、昭和に入り弾圧を加えられるに至る。

  紀平正美(皇国史観の確立者、右翼国粋主義者)。佐藤熊治郎(価値創造から価値実現への

  変節ぶりは、国家主義が目標)

  デカルトの「方法序説」  ~  正しい順序で哲学する理性の人

  信仰と生命科学とは融合する

 *現代人の信仰生活及び精神態度に於いて三つの時期を踏んで進歩する。

  第一期

  思考(理解)したのではなく、全く感情的信仰生活様式の段階。

  第二期

  懐疑、独断、自己流解釈、自己肯定を繰り返し、慢心=信念の魂となる段階。

  第三期

  思索に入り、自他一切の経験を総合統一し、客観的に考慮して物事の真意を区別し、科学的

  合理的生活によって、安心満足の域に達する段階。

 *教育学の研究方法

  科学的研究(真理探究)

  ①生活の学問化

  ②学問の生活化

  ③進化論的考察

  ④批判主義的考察

   人間にとって最高に尊いのは情熱や信念に非ずして理性であり叡智であり「考えの正しさ」

   ロゴスであり仏法である。情熱の人、信念の人、炎の人と評すだけでなく「信の人」でありたい。

 *創価教育学の基礎理念

   真理の認識と価値の創造の二元論

   教育区分としては、二育(知育、体育)であり、三育の中の徳育)は虚偽不正なり。

   牧口32才「人生地理学」において戦争反対の立場から、「忠君愛国」は押し付け教育であり、   「滅私奉公」に至っては、国家に尽くす国家主義であり教育勅語の誤りと説く。

   頑張ることをやめよ、頑張らずに頭を使うよう務めよとまで言い切る。

 *経済的教育

   1、経験より出発せよ。

   2、価値を目標とせよ。

   3、経済を原理とせよ。

   学習力に於いて、教授力、時間、費用、音声ほか常に経済原理を旨とし、文化価値を目標と

   して進め。天上を仰いで進むよりは、地上を踏みしめて、一歩一歩勧め。

   教師は手本を示す主人ではなく、手本に導く伴侶となれ。”

、郷土論(郷土の捉え方)に学べ。

   授業はおもしろくをモットーに、半日教育の提唱などを通し、国旗(日の丸)掲揚、国家斉唱

   問題、不登校問題、いじめの実態、学級崩壊等文科省、文化人、マスコミ、政治屋、教育

   委員会、PTAは真剣に取り組んでほしい。

   勉強が辛いのは、知識欠乏を意味する以外の何物でもない。知育偏軽の弊害を質して行き

   たい。真の知育教育の確立こそ価値創造への道と捉え、目的と手段を取り違えてはいけない。   幸福実現と刻苦耐乏とは反対用語である。だから頑張るな”と叫びたいのである。 

  <参考図書>

    ・牧口常三郎の思想(斉藤正二)第三文明社刊   2010年 8/31

    ・牧口先生とカントを語る(上、中、下)聖教新聞   2001年

    ・国家主義と闘った牧口常三郎(村尾行一)潮出版社刊2002年6/6

    ・幸福に生きるために(古川敦)第三文明社刊    2001年11/18

    ・越佐の偉人

    ・人生地理学を読む(村尾行一)潮出版社刊     1997年 6/6

    ・価値論を読む(村尾行一)潮出版社刊        1998年11/5

    ・創価教育学を読む(村尾行一)潮出版社刊     2001年 3/5

    ・柳田国男と牧口常三郎(村尾行一)潮出版社刊  2007年 2/5

以上 2019/12/02

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