<識者が見た未来への希望>
聖教新聞報道局編
はじめに
「SGI憲章」 <社会憲章の前文>
1、世界市民の理念
2、積極的寛容の精神
3、人間の尊厳の尊重
・1930年創立から100年、次なる100年へと出発する今現在
序章、「人間のための宗教」として発展した創価学会」
田原総一朗(滋賀県生まれジャーナリスト)
・宿命転換、三世の生命観、
人類への課題(気候変動、コロナ禍、ウクライナ危機)
・学会発展の理由
原論出版問題、会長辞任に至る(排除の壁)窮地を何度も乗り越えてきた
- 機構改革 ~ 地域に根差し、社会との関係を構築
- 宗教的寛容性~邪宗から他宗への
- 人間あっての宗教
・信仰と理性
理性がありさらに信仰がある。この二つは何ら矛盾しない。
「人間革命、母性原理、一期一会の絆」
・逆境に臆せず立ち向かう学会の真価(世界宗教への道程と挑戦)
第1章 創価学会の現代的価値
サラ・ワイダー女史(米)
・女性の力を引き出す池田SGI会長の励まし
心結ぶ草の根の運動を共に(自分に出来る何かを見つける)
「対話」とは、聞く力、分かち合う力
ジム・ガリソン(米)バージニア工科大学教授
・多様な人が出会い学び合う希望のヒューマニズム
「子供の幸福」デユーイと牧口常三郎
価値創造が教育の要 ~ 混迷の社会を変革する世界市民の育成
池田会長のSGI創設 ~ 世界各国の有識者との対話実践
市川裕 東大大学院博士
・トインビー博士が期待した草の根的広がり(192か国地域)
世界宗教の要件として先ずその思想の根幹をなす普遍性を「立正安国論」に集約 ~ 利他の実践(目の前の一人を大切に、座談会を大切に
「人間革命」を推進 ~ 学び合いと1対1の薫陶、
・師弟関係こそ信仰の生命線~約10年に及ぶ戸田大学構想「師匠と自分」
「大学を作ろう」「世界にはばたけ」「核廃絶」「地球民族主義」
デニス・ジラ (仏)神学者
・宗教間対話の中で信仰の価値を深める
宗派を超えた励ましと協力、小さなことから行動する
・法華経と聖書の共通点
- 微妙なるものの開示 ②すべてに人の救済 ③比喩を用いての教示
(長者窮子の譬え・放蕩息子の譬え)④人々の差異を尊重
・日蓮仏法は「太陽の仏法」 創価の青年こそ人類の希望
闇を嘆くより、1本のローソクを灯そう「夢を持つ」それこそ青年の特権
羽矢辰夫(山口県生まれ)創大名誉教授
・菩薩行の実践から「慈悲」と「智慧」が生まれる
・原始仏教の「因果」と「無常」~ 苦しみからの解放
「十二因縁」苦しみの原因はサンカーラ(行)にあって欲望や無明でもない
・自他分離的自己から自他融合的自己~「自我」形成の原動力。
「自分とは何者か、なぜ生きるのか」といった実存苦が生まれる。
死なないわたし、実際に死んでしまう自己との間の葛藤、(死への恐怖、不安が増す)このサンカーラが鎮まった状態は安らぎです。
(凡夫以上ブッダ未満ボサツというモデル)
・分別(智慧)物事を批判的に考える理性は人間の成長に不可欠
・唱題行に基ずく菩薩行~人間のエゴをいかにリードしていくかを探究。
自己中心的欲望、自己に対する過剰な捉われ方といったエゴを全て駄目だというのではなく、成長のプロセスとして捉えていく。(十界互具)
・勤行・唱題はサンカーラを鎮めている事と云えようか
自我は超我へ「分別」は智慧へ「欲望」は慈悲へとそれぞれ社会人として認められる人に「人間革命の理念」としての内面の変化から事態は好転
「地涌の菩薩」
自分という「個」に拘っている限り、永遠性は感じられません。
菩薩とは時代を超えて世界市民のモデルを提示している世界中の人が正しい世界観を持てば人類は亡びない。凡夫的人間が変わらない限り根本的解決には繋がらない。
ロケッシュ・チャンドラ(印)
・人間に神聖さを見出し弱い立場の人に生きる力を送る
ガンジーと題目 ~ 道場での祈りの中に「南無妙法蓮華経」の題目
宗教が衰亡する要因 ~ 社会的価値を失う事で衰亡する。
3人の宝 ~ ①鳩摩羅什 ②日蓮大聖人 ③池田大作
固定された価値ではなく実現すべき価値、世界的な対話の体制、
人間の心の変革が必要
朴承吉(韓)名誉教授
・韓国の宗教文化に影響を与えた学会の小単位少人数の集い
座談会に着目(小単位形式)
3つの要因 ①宿命転換・人間革命 ②民衆参加 ③信心の継承
権威的、儀礼的、形式主義とどう対峙するか僧侶や信徒といった権威を生み出す宗門との関係を断てた。真の宗教としての岐路
日蓮から三代会長に至る精神の系譜
日蓮大聖人=「立正安国論」・牧口初代会長=「価値論」・戸田二代会長=「生命論」池田三代会長=「人間革命」
自分自身を生きている実感の持てる宗教が求められている。
折伏の本質は他者の存在に対する責任倫理を果たすことにある。
社会的使命を果たすことによって宗教の価値も高めている。
第2章 世界を照らす日蓮仏法
カルロス・ルビオ(スペイン)
・時代を超えて輝く万人成仏の思想
御書・法華経の翻訳作業を通して、宗教的メッセージの普遍性
・キリスト教 = 福音書・イスラム教 = コーラン・日蓮 = 御書
<現代的危機へのメッセージ>
日蓮は、自然災害、蒙古襲来、人的災害の起こるのは、誤った思想を信じているからだであると時の権力者、民衆に対して~現代における自然から隔絶した生活、家族の絆の崩壊、環境破壊、物質主義そして対話の欠如した格差社会に対する力強い声を発することが大事であると示唆している。
・日蓮仏法の魅力
- 「日蓮の人格」権力に屈しない姿勢
- 「内発性」形式に囚われない
- 「生命論・一念三千の法門」夫れ浄土と云うも、地獄と云うも外には
候はず但我らが胸の間にあり
ヘルビッツ・シュミット・グリンツアー(独)大学教授・仏教研究者
・逆境でさえ希望と確信は輝く事を証明した日蓮大聖人
日蓮は不退決意の人 ~ 一生成仏を目指す可能性を説く、それ故に時代の危機を察知し、誤った教えに惑わされないことを教えた。法華経の方便品と如来寿量品を中心に、生きとし生けるものすべてに仏性を見出す
不行菩薩を模範とする日蓮の振舞・自身の救済と完成を目指すだけではなく、他者にも広げ行く菩薩の生き方は、信頼と同苦の心を強めます。
“三車火宅の譬え” 危機を乗り越えるための智慧
“長者窮子の譬え” 自他共の幸福~智慧、勇気、慈悲、活力といった価値
デニス・ジラ
・民衆のために戦う大願と勇気―大聖人の心は御書と共に永遠
“獅子王の心” ~ 恐れるなと云うメッセージ
法華経の行者を誹謗する高僧や為政者たちと戦った、気迫と暖かい人間らしさ。日蓮の願いは、法華経の心理に人々の眼を開かせ、苦しみを抜き《抜苦与楽》法華経への強い信心を確立させることにある。南無妙法蓮華経の題目を唱えることが亡国から救う唯一の道である。
・信・行・学の結びつき ~ 行学の二道を励み候うべし ~ 行学は信心よ
り起こるべく候、力あらば一文一句なりとも語らせ給え~
<世界宗教の普遍性>
世界の各地にメンバーがいるから普遍的なのではありません。普遍的メッセージを持つがゆえに多くの国のメンバーたちが誕生したのです。人間のための宗教として結びつき、世界平和実現への力となって行くことを念願
<対話に於いての心がけるべき点>
- 他者への関心 ② 慢心を退ける謙虚さ ③ 広い心
“SGI は生命尊厳の仏法を基調に全人類の平和・文化・教育に貢献する”
佐藤弘夫(東北大学院教授)
・人間が主体性を発揮する中に立正安国の思想の本質がある
日蓮が生きた13世紀(800年前)と現代も思想が行き詰まっている時代である。伝統仏教は権力者の為であり、民衆の生活は視野の外に置かれていた。法然の念仏思想が広く普及した背景には日常の生活改善には関心を持ちにくくなって理想を来世に求めるといった諦めの思想が圧倒的支持を得て流行っていた。現代の気候変動や感染症の拡大といった人類的課題にはどうすればいいのか。
・鎌倉以前の仏教は学問であった。形式的伝統仏教に対して問題意識を起こしたのが鎌倉仏教と云えようか。(法然、親鸞、道元、日蓮)
<親鸞の来世救済思想と日蓮の立正安国思想>
従来からの伝統仏教(時の権力者、支配体制の安泰と安国の手段)に対し、日蓮は国家権力と相対化する革命的転換をなす。この安国の理念も幕末維新を経て天皇制国家形成を為す中で体制護持思想として様変わりし、戦前戦中時に於いて田中智学らの日蓮主義として宣揚されていった。立正安国論程評価が分裂し、解釈が変遷した書は珍しい。
・「立正安国論」の二つの論理
- 目の前の危機をどのように乗り越えていくか
念仏批判の論理 ~ 念仏の排他性(捨閉閣抛)
2、 “信仰の寸心を改めて速に実乗の一善に帰せよ”
法然念仏を禁止し仏教を本来の状態に戻したうえで、一人一人が自己変革によって仏国土を実現させていくという発想(人間としての普遍的な理念)
*実乗の一善は強制や押し付けでは出来ない。「人間革命」の実践にあり。
・「熱原の法難」(法華信徒への弾圧)~ 教えを実践する人がいて宗教としての命が吹き込まれる。これを通して日蓮の出世の本懐(日蓮の出現の目的)
現代における創価学会の実践は信仰者の姿を通して理解する中に、人間が自分(人間)の事しか考えないような社会を改めなければいけない。
日蓮の草木成仏・悪人成仏・女人成仏といった思想哲学(すべての存在がもう一度調和できる社会を作り上げていくことです)
・ウイルスと戦うとは言うが、ウイルスからのメッセージが聞き取れるか。
日蓮思想にはまだまだ新たな可能性があると考えられる、その新しい答えを引き出すための力を創価学会に期待する。
第3章 創価の源流・牧口初代会長の思想
伊藤貴雄(熊本県生まれ、創大教授)
・教育実践から価値哲学へ時代を超える普遍的な教育思想
「認識したうえで評価する」「価値創造」を重視する。
カント、ヘルバルト、デユーイなどの世界の教育学説を応用し
新しい教授法に昇華させていった。
・現代の新しい学び方と響き合う水平的教育観への転換を促す
予習を重視する反転授業の発想 ~ 子供の自主的な学習(予習的自修)
<二つの教育原則>
1、身近なものから始める(実物教授)~ペスタロッチ(スイス)
2、多角的な視点で考える(多方興味)~ヘルバルト (ドイツ)
郷土を起点に世界を学ぶ~グローバルな協力関係が不可欠な今日を示唆。
・真理の認識を踏まえた価値の創造~「美・利・善」
「真」は思考的興味、「美」は審美的興味、利は経験的興味、
「善」は同情的、社交的興味
・宗教の使命は、「人を救い、世を救う」ことにあり。人を救うことは
「利」の価値、世を救うことは、「善」の価値
・激動の時代に民衆知を結集
創価教育学体系発刊に際し、巻頭の揮毫を寄せた犬養毅(翌年首相)
32年の5・15事件で青年将校らに暗殺されています。
・答えではなくプロセスを重視
今日の教育が重視する考える力、生きる力にほかなりません。他人の考えを鵜呑みにせず、自分自身で事実かどうかを確認する。
・立憲政治は“万機公論に決すべし”という議論政治である。
・仏法の信仰と言論闘争
「依方不依人」~“人に依ってゐた基準を改めて法に依れ”
「大善生活)~人間の平凡生活に対していかに権威権力のある人がいうことであっても間違っていれば従うな。こうして当時の国家権力に対する言論闘争になっていきました。
・弾圧に屈せず信念を貫く
1943年7月6日治安維持法違反、不敬罪容疑で検挙
「天皇も凡夫である」当時の教育勅語から「忠誠心」の一節を削除すよう主張したことが第一の起因。その後獄中闘争を展開(三障四魔が粉起するのは当然で、経文通りです。
・戸田・池田先生に受け継がれ世界に広がった平和への理想と連帯
地球民族主義、原水爆禁止宣言そして今や192か国・地域に及ぶ世界市民のネットワークへと拡大。
渡邊弘(栃木県生まれ、作新学院大学学長)
・人間主義の教育の時代へ確かな子ども観を示す
“子どもの幸福”を第一に掲げた実践(日本のデユーイ)
教育は人間をよくするためという名目のもとに行われてきたと言えるでしょう。しかしそのよさの定義は、その時代その時代の国家が「良い人間像」を決定してきたケースが余りに多い。特に国家主義の教育が洋の東西の歴史が物語るところです。
明治期に初代文部大臣森有礼の学校令に象徴されるように、子ども達の為とゆうよりも国家のためであるとしていた。
・「性向善」という子ども観から大人が決めた良い人間像を押し付けていくのです。人間は善く生きようとする価値創造の力を備える
大正期には自由教育運動が興りますが、昭和前期の軍国主義的教育に取って変わられ、戦後の20年代は経験主義教育の理念が反映されましたが、30年代に入ると経済成長を図るために再び国家主義教育が始まります。
今こそ創価教育に学べと、つまり人間観に学ぶことだと言えるでしょう。人間の生命にとってプラスになるものは有価値であり、マイナスになるものは反価値とする
<価値創造の意味>
有価値を増加させていく、価値創造者という個人的存在と社会生活者として共存共栄図る人間という両面から捉えていく。
・牧口先生の反日学校制度は、現在の生涯教育の必要性を示唆している。
学校は家庭の延長として捉え、行政からの学校自治権の確立を強く訴えていた。更にあらゆる学科の中心軸「郷土科」という郷土教育の実践
慈愛の心こそ教育の原点“誰一人置き去りにしない”という慈愛の心
<創価教育の精神の特質>
- 反国家主義 ② 対症療法的な改革への批判 ③ 価値創造的人間
⓸子どもの幸福のためという精神 ⑤ 生命尊厳の精神 ⑥ 世界市育成の精神 ⑦知恵(智慧)⑧ 慈悲(慈愛)⑨ 学習と生活の一体化 ➉ 連帯 ⑪ 最大の教育環境としての教師 ⑫ 開かれた対話
子どもを変えようとするのではなく、先ず大人である自分が変わる事を第一としている。教師とは、子どもの心に希望の炎を灯す人、良い教師というのは、触発を与え内なる力を発揮させるものだ。
<開かれた対話とは>ただの対話ではなく開かれた対話
単に互いの主張や意見をぶつけ合うというものではなく、相手を人間として尊敬して学ぼうとする心(独善的なイデオロギーや誤った知識、先入観、利害感情などの囚われの鎖から自分を解放する開かれた心。
(平和の文化を創造する道は開かれた対話の中に)
<新たな価値を共に創造する営み>
一つは人間関係(創造的関係)もう一つは、人類の平和の文化創造です。
世界が今直面している課題は、コロナ禍だけではありません。紛争や気候変動による災害、人権抑圧、慢性的貧困といった地球的問題群、ともすればその問題群の大きさに、諦めの心を抱くこともあるでしょう。然し創価教育には、どんな困難をも打開し、より豊かで実りある価値創造を成し遂げる力が備わっているということを教えてくれます。
斎藤毅(理学博士)東京生まれ
・人生地理学から見つめた多様な世界像が共存する社会
9・11から20年の現代社会に投げかけるメッセージとは何か。
人生地理学は一つの哲学であり自然観や世界観ひいては人生観を豊かにし安定したものにする学問で地球的な視点から示された牧口常三郎先生の豊かな世界像なのです。世界像の形成には、自己の確立が欠かせません。
・「郷土会」(新渡戸稲造を中心とした柳田国男、牧口常三郎 他)
地球的視野から普遍性を強調~他を益しつつ自分も他社も共に繁栄する道を呼びかけていくことはまさに日蓮の思想そのものである。
自己を確立し、現世を肯定する日蓮思想と響き合う行動理念
自身のルーツは人類共通の問い~自分は何か、どこにいるのか、どこへ行くのか画家ゴーギャンのテーマは、“我々はどこから来たのか”でした。
・好奇心旺盛に価値の創造を~相互理解の対話
第4章 人類の未来を拓く池田・トインビー対談の視座
河合秀和(京都府生まれ、学習院大学名誉教授)
・語らいは人類の百科全書 ― 危機を超えるための指針が
両者の対談から改めて何を学び具体的な実践へと結実させることが出来るか
・二つの問いかけ
河合先生にトインビー博士は二つの質問
一つ目は、「今、国体思想はどうなっているのか」
国体思想とは、天皇を主権者とする類いまれな国とする思想で、戦前軍国主義を推進する原動力でした。
二つ目は、「創価学会はファシストか」
戦時中に治安維持法によって迫害された組織であり、民衆に自立心と誇りを与えていると答えた。75年に対談集「21世紀への対談」として出版
普通であれば未来予測が大半を占めてもおかしくないところでしたが、しかし人間についての探究から始まり「人間はいかなる存在か」でした。
二人の活動の出発点に戦争の体験があったことも、大切な共通点であると考えています。トインビー博士は第1次世界大戦、池田会長も太平洋戦争
小説「人間革命の冒頭を「戦争ほど、残酷なものはない。戦争ほど悲惨なものはない」人類は悲惨な戦争を二度と引き起こしてはいけないという信条に貫かれていると感じました。異なる立場にあった二人がなぜかくも多くのテーマに於いて共鳴できたのか、博士だけでなく池田会長も人類の普遍性を深く志向していたからだと考えます。対談が行われた50年前は、現在と同様に誰も先を見通せない時代でした。「世界に対話の旋風を」とのトインビー博士の期待を受け1974年5月に中国、9月にはソ連、12月には再び中国に渡り、中ソ対立の溝を埋めるべくコスイギン首相から託された不戦の意思を中国首脳に伝えました。翌75年1月に渡米し、キッシンジャー国務長官との初会見に臨んでいます。「世界のどこの勢力を支持しようとお考えですか」との問いに「私達は平和勢力です。人類に味方します」と答えています。
・自己超克こそ宗教の真髄であり、それを成し遂げる力は全ての人に潜在的に備わっていると指摘し、その変革を可能とする実践が「人間革命」であると示しました。加えて大我と小我の関係性について「調和と融合」が志向されている。コロナ禍や紛争の影響で経済格差がより深刻になる中、社会の不平等を是正するための政策の要となるのは、女性と子どもへの視点です。これに取り込める力を持っているのが、公明党だと思っています。
・創価学会は、在家信徒によって運営する組織として発展してきた。
日本の仏教史上まれにみる転換であったと思います。聖職者を持たない俗人宗教、一般人の立場で教義を説く俗人説教者
アダム・フミエレフスキ(ポーランド大学教授)対談集の翻訳者
・世界が直面する課題に真正面から向き合う対話
<印象的な箇所>
池田会長の質問の「単刀直入さと的確さ」・トインビー博士の圧倒的な「知識と歴史への洞察」
・具体的には
1、現代都市が抱える諸問題~2016年「欧州文化首都」に選定される際の事業計画に携わりました。その過程で参照したのがこの対談でした。
共産主義体制が崩壊して以降の我が国の都市建設を批判的に見つめられた
2、世界の多極化の可能性について、当時米ソ冷戦の中であり、東西陣営の緊張から抜け出す方途など見出せないような時代でした。二大陣営の衝突を避けるために、世界の多極化はあり得るのかと議論を交わすのです。
3、トインビー博士は、世界の行く末は東アジアの国々によって決まるであろうと述べています。この予見は、特に日本には国際社会でさらに重要な役割を果たすよう期待しますし、昨今のウクライナ情勢についても例外ではありません。仏教による生命観は近代西洋をはるかに上回っています。
西洋哲学よりも仏教のアプローチの萌芽優れていることを認識した。
・現代のような不確実な未来と向き合う「危機の時代」にも「挑戦と応戦」が求められるのではないでしょうか。希望を抱き楽観主義でいることも必要なのです。意見や価値観の差異を乗り越える共通の価値を見出すために「異なる地平の融合」という概念。この概念は、池田・トインビー両氏がなぜ理解し合えたかを説明するものです。もう一つは、「共感」他者の気持ちを感じ取り考え方を理解する。
<特別収録>
ミハイル・ゴルバチョフ(元ソ連大統領)
・新たな脅威と戦う今 ― 対話と協調の歩みを
「社会は次世代を育成できてこそ、初めて成熟したと言える」
・人間の安全保障
コロナ危機と向き合う今、あらゆる国際政治の在り方を見直す必要があります。より信頼できる国際安全システムを構築しなければなりません。
<国家・社会が相互関係を構築するための原則>
1、安全保障の概念を再認識する必要性
2、非軍事化、軍縮、軍事費の削減、
3、政治、経済、人文分野における対話、信頼関係、協調
*米ソ共同声明「核戦争は許されない。そこに勝者はあり得ない。双方は軍事的優位を求めない」
・今必要なのは、対話です。「人類には共通の運命があり、新たな脅威には誰もが脆弱である」
以上