副島隆彦著
*第1章、中国経済の原動力
*反中国を叫び、アメリカの属国の方がいいと本音を吐いていた、台湾人のふりをしている黄文雄、櫻井よし子、金美鈴氏らは日本の愛国者、保守言論人の正統であるかのように振る舞うが、アメリカが東アジア戦略としてブッシュ政権でさえ採用した「日本を中国にけしかける政策」を「ザ、カルト・
オブ・ヤスクニ」の名の下に最早アメリカは日本の保守言論人に期待しなくなった。極東5か国(中国、韓国、台湾、北朝鮮、日本)の1国としてアジア人同士は戦争だけは絶対にしないことだ。
・内陸部開発促進政策を推進している中国は今やイラン、インドの北、そして中東からアフリカまで影響力を強めている。
ペルシャジュータンを内陸部で作ってペルシャ(イラン)本国まで大量輸出していて世界の中心はいずれ中央アジアに移るであろう。
*新しい世界銀行(仮称)の設立が叫ばれつつある。現在の世界の通貨体制
(ロックフエラー石油ドル、金ドル体制)は崩壊する。
ドル覇権の崩壊とともに歴史的役割を終える。(ワシントンDCに立つIMFと世界銀行)
・世界の決済機能の本部をカザフスタンのアルマテイと想定。
・新通貨体制 ~「修正金ドル体制」から「コモディティ・バスケット」へ
・中央アジア5か国~旧ソビエト・ロシアに所属していたイスラム教徒の国々。
・中国全体とヨーロッパ30国と国力の上では同等である。
・中国人の囚人たちをアフリカのインフラ工事に就かせている。
*かっての覇権国(ポルトガル、イギリス)も当時のヨーロッパの王様たちが囚人たちを遠く国外の未開地に捨てに来たのが始まりであり、植民都市の成り立ちであり建国神話として今のオーストラリアやアメリカ、南アフリカの本当の姿なのである。
*戦前日本でも朝鮮から強制労働者を徴用して鉱山で働かせていた。その時300人に対し3人程度の炊飯婦(売春婦)を必ず付けて治安を装っていた。
・世界覇権は120年周期で移動すると言われている。
・4000兆円もの赤字を抱えるアメリカの未来は暗い。
*第2章、アメリカの衰退、日本の沈下
「BRICs」 ~ ブラジル、ロシア、インド、中国の4か国首脳の合言葉
“先ずアメリカを潰そうぜ”である。
*海の時代から陸の時代へと回帰(中央アジア) ~ 沿岸部から内陸部へ
現代のシルクロード計画 ~ 五縦七横に走る高速道路網の建設。
・中国では豊富な人間の数こそが資源[生産財と捉えている]
・インフラ整備へ5万人、10万人単位で移住して南米大陸、アフリカ、旧東欧へと蔑まれた生活をしながらも工場建設に従事し物品の生産を行っている。
・東南アジアは華人[架橋]、そしてロシアとも協調しようとしている。
*第3章、アメリカから中国へ(世界覇権のシナリオ)
*太子党、習近平(特権層)と共青団、李克強(共産青年団、自力路線派)
・第六世代の中心メンバー(鄧小平の偉大さ)
周強(湖南省長)、胡春華(河北省長)、ヌル・べクル(新疆ウイグル自治区長)孫政才(農務大臣)、陸皇(共青団第一書記)
・政治(党)が鉄砲(軍)を指導する。 ~ 「中国の国是」
・軍隊は国営の(公設)暴力団である。
すでに米軍は朝鮮半島や台湾を放棄して沖縄まで退く。いずれはグアム、
ハワイまで引き下がっていくだろう。
*「二つの海底問題」
- 1,共産党独裁制から民主政治体制
- 2,台湾、新疆ウイグル、チベットに自治権を与え漢人との平等互恵体制にする。この問題を解決しなければ、超大国にはなれない。
*第4章、中央アジアの世紀が始まった
*16世紀からの大航海時代とともに、それまでの内陸部の陸上交易路は大きくすたれた。シルクロード(西域)の衰退。
・中国の西側の奥地のユーラシア大陸の内陸部(中央アジア)
・繰り返されてきた「帝国建設の法則」
・沖縄の嘉手納基地、グアムのアンダーセン空軍基地のような3万人規模の兵
(キャンプ陣営)植民都市を作っていく。
・中国が今アフリカでやっていることが帝国の建設ではないか。
・古代のシルクロード(隊商ルート)に沿って中国のトラック部隊が天山山脈を越えてキルギスやウズベキスタンを通ってイランまで繋がっている。
・イランと中国は大きく繋がっている。(イスラエルを叩きのめそうとしている)
・中東レバノン南部のシーア派民兵組織ヒズボラ(イランが支援)パレスチナ人のハマス(暴力団的自衛組織)にも中国は支援している。
・カザフスタンの第2シルクロード計画 ~ロシアと鉄道でつながっている。
・韓国人が進出してきている。
*第5章、5年後、10年後の世界秩序
*アメリカはすでに北朝鮮問題から手を引いている。日本は拉致問題ばかりの外交カードで騒いでいるが、ようやく二国間協議のテーブルに着いたばかり。
・すでに中国では言語[北京語]は統一されユーラシアの中央地帯(ユーロ、アジア)まで占める大国として成立している。
・東シナ海レベルでしかものを考えなかった日本人感覚を改めるべきだ。
*上海協力機構(反アメリカ同盟の存在)
・民族とは同じ言語を喋る人間の共同体である。
・チベット自治区も中国に呑み込もうとしている。
チベット仏教(ラマ教)信仰、チベット語を言葉としている。
・東北三省から内蒙古(内モンゴル)自治区の存在
・“中国は汚い、恐ろしい国だ”と洗脳された日本人。
・朝鮮半島の統一をさせないで、分断のままにしている。(大国のエゴ)
・中国共産党の「先富論」 ~“先に豊かになる人が先に行け”
・中国はイスラエルと手を切った。
・大後方支援~北朝鮮、イラン、パキスタン、にも中国からの軍事支援が。
*ODAという日本の安全保障戦略(対外経済援助)政府開発援助
中国は日本のこの制度を真似る。
*プライマリー・アジェンダ–(アメリカ国家最高課題)
2000キロ級MD(ミサイル防衛構想)アメリカの本土までは届かないが中国までは充分な射程距離。アメリカを直接攻撃する事の出来る兵器は絶対に持たせない。ところで、北朝鮮の核兵器(ミサイル)はノドン(1000キロ級)テポドン1号、2号(1500~4000キロ級)
・核抑止力とは、そっちがやるなら、こっちもやり返すぞと同時反撃の考え方。
*第6章、新世界帝国の時代
・リーマンショックの引き金はロシアが引いた。
ロシアが一斉に売り払った米国債外をサウジと日本、中国が買い支えなければならなかった。アメリカの信用崩壊を阻止した。
最終的にはアメリカの衰退とともに、米国債は下落する。とどめを刺すのは中国である。マネーゲームの時代は終わり物々交換が始まる。
・中国にとって譲れない「二つの海底問題」
以上
コメント