人生 馬留見_所感

*はじめに

 心地よい風と、田植えを終えたばかりの新潟は、今一番よい季節を迎えていますが、まもなく猛

 暑をしのぎ、錦秋の彩りも束の間やがて冬将軍の到来へと四季の移ろいは巡りくる。

 日本には古来より慣習として「花鳥風月」とのふれあいの場を大切にしてきた。ところが、いつ

 の頃からか宇宙の奏でる絶妙のシンフォニーに身を委ねる習わしを忘れ、かけがえのない宇

 宙との共振共鳴のリズムを狂わせ我儘な不協和音を響かせて感謝の念を忘れさせてきたようだ。

 もう好いではないか。何もそんなにムキになって年甲斐も無く競い合うのは如何なものか。

 社会保障システムの限界にさえ気ずこうともせずに介護を強要するなぞ、もっての外。

 人生には人それぞれに絶頂期もあればどん底のときもある。どん底から立ち直れるかどうかは

 生き方の問題であり、能力の問題ではないとする。

 過去は問わず、現在そしてこれからの人生で何が大切なのかを考えてみたい。

*人生(ライフ)から見た、生き方(ライブ)への試み

 人生苦あり、以って楽しむべし。人間死するあり、以って生くるを知る。”

 (人生にあって、まともな生き方が果たして可能と言えるだろうか。)

 人間社会も都市化の中で、平和で安全が理想とするならば、それはその条件として常に食糧が

 与えられ大量に飼育された家畜と同じ運命を歩む事にはならないのか。これは、バカの壁で有

 名な解剖学者養老孟司氏の指摘です。所詮生き方が問われているようです。

 現代人は多くの悩みを抱えて全体に疲れているようだ。努力している限り人は悩むものであり、し

 かもそれがストレスの増大につながりやがて病気へのメカニズムへと移行するとなれば最早

 理屈を越えている。尚悩みには答えなぞなく、あくまでも本人の思い違いに起因すると言うから

 尚更厄介である。そこでシニアの選択肢として先ず都会から田舎への帰農願望がある事に気

 ずかされた。

 都会暮らしでの心の傷の癒しを求めて田舎に住む。働く場所を追われ住む場所、生活する場所

 を田舎に求めた。もはや歓楽街は彼らにはビジネスの駆け引きの場としては必要でなくなった。

 進むことが唯一無二の正義であった時代は終わり、進むでもなく、後退するでもなく一時止ま

 って荒波をやり過ごす事も選択肢として存在しないだろうか。他人や組織のために使うだけの

 生き方ではなく権力のある者だけが勝ち残る社会でもなく、さりとて人気取りだけの弱者救済を

 声高に叫ぶのでもなく、自分と同じ視線で生きてゆくネットワーク(共同体)を築いて周りの顔の

 見える仲間たちのために顧客の顔が見え喜びが直接伝わるような仕事がしてみたくなってきた。

 具体的には、趣味と実益を兼ねた生業物と山菜の直売店他作る喜びと売る喜びを兼ねた仕事。

  詳細は下記に記す。

  ①里山の手入れ(管理、整備) ~  空家の管理(古民家を含む)

  ②自給農園(有効空間の利用) ~  野菜、山菜、きのこ、女性と高齢者による生業農業

  ③良質の水と良質の草花

  ④介護なしで親子で暮らせる寄宿舎施設の斡旋と提供(貸与)

  ⑤病院診療に頼らない施設の提供(貸与)、予防医学の学習

*大人が自然と子供の扱い方というものを忘れてしまって久しい。

  自然とは四苦と捉え(少子化)(介護)病,死(医療)になぞらえて、子供に至っては予想を

  超えた現象(行動)例えば地震、台風、洪水、津波等に不安を抱くことから、その扱いに体で

  対応できずに戸惑うだけで、楽な生き方を意識でコントロールしようとする現代人への警鐘と

  受け止めるべきだろう。

*非営利事業(NPO)とは別に、有償ボランティァとしてのオーナーシェフ型事業

  ①住宅関連サービス   ~  空家管理、里山整備他

  ②ホームヘルプサービス  ~ 介護、食事、

  ③ライフラインサービス、 ~  行政の手の届かない分野、

  いずれも時給にして800円位を最低限としてのネットワークを築いて行きたい。

*人生80年時代への対応

 1、禁じられた遊びの国日本

  勤労の美徳に支配され、仕事が趣味とまで言わせる気の毒な人まで存在した。

  ”暫しも休まず鎚打つ響き”村の鍛冶屋(大正元年)に歌われるように、本職以外の余技を愉

  しむ余裕も与えられず「遊び」を抑圧し、遊びが「遊び人」になり「ばくち打ち」に一変し、

  「道楽者」として扱われてきた。

 2、老後の不安

  ①身体機能の衰弱”  ~  転ばぬ先の杖(ステッキ)”

  ②精神機能の衰弱”  ~  ”歯がために金はいる)

  ③収入の減少   ~     消費は美徳の名の下に禍福はあざなえる縄の如し”

  ④労働政策の一環として ~ 定年延長と年金開始年齢の引き上げ策。

  ⑤孤独、死への恐怖  ~  ”年寄は死んでください国のため”

 3、老後の生きがい(散歩、図書館、サークル学習)

  ①健康②経済的ゆとり③時間的ゆとり④社会的つながり⑤家族の支え⑥張りのある日常

   高齢者人口の増加(2025年をピークに65歳以上3312万人

   増税で高福祉を目論む旧世代と、減税で私生活の充実を目論む現世代との間で世代間(有

   権者)抗争が起きるのではないかと危惧されている。

   文化的生活を脅かすものとして、「貧乏」と「多忙」とが挙げられるが、「多忙」だけは避けられ

   そうだ。そこで、「余生」「余暇」ではなく「必暇」と呼ぼう。それを「趣味力」、「老人力」とする。

   公的年金、医療、介護も先行きは暗い。もう一頑張りを必要としているようだ。

 4、隙間産業の一環としての捉え方

  ①趣味中心組織としての存在  ~  生業生産、おしゃべりサロン、山菜、きのこ他

  ②生活環境を豊かにする存在  ~  介護他

  ③オンリーワン集団を目指す(地域の紹介につなげる)

  5つのライフスタイル

  ①職欲旺盛派(8%) ②趣味中心派(10%) ③世話役派(21%) ④若々しい派(10%)

  ⑤無事是好日派(47%)

  4種類の人達

  ①行動を起こす人②動きに巻き込まれる人③動きを見守る人④動きが起こった事も知らぬ人

 5、その他

  ①日本の長寿社会(男77歳、女84歳)では定年後社会が深刻な問題とされてるが、多くの国

   では、平均寿命を延ばすことが重要視されている。

  ②見回りサービス料金  一回当たりの目安は3500円、草刈年2回(一回8000円)

   有限責任事業組合として(秋田市)に存在。

   建築事務所(浜松市)、NPO法人古家改修ネットワーク(京都市)に存在。

   全国で空家268戸存在。

以上 2012/05/31

コメント