超圧縮 地球生物全史

一般書籍

「生命38億年の旅」「地球誕生からサピエンスの終末まで」

ヘンリー・ジー 著(竹内薫訳)

<目次>

「炎と氷の歌」

「生物の大集合」

「背骨のはじまり」 

「渚に打ち上げられて」 

「羊膜類あらわる」

「トライアシック・パーク」

「空飛ぶ恐竜」

素晴らしき哺乳類たち 

「サルの惑星」

「世界を股にかける」

「先史時代の終わり」

「未来の歴史」

1章 太陽が生まれた瞬間

巨大な星は、水素原子を融合してへリウムを作ることで輝く。

そのために必要なエネルギーを生み出してきた。水素が不足してくる

炭素や酸素などの重い元素を作るようになった。

何百万年も燃え続けてきたのに一瞬にして大爆発して超新星となる。

全ての生命体は消滅したが新しい種の誕生でもあった。ケイ素、ニッ

ケル、硫黄、鉄などの重い元素が宇宙の広範囲にばら撒かれた超新星

爆発による重力衝撃波は、ガスやチリ氷の雲を通リ抜けそして雲は自

ら収縮しながら回転し始めた。(自らの重力による内向きの力で)古

代の星の死から、新しい星私たちの太陽の生まれた瞬間だ。

生まれた頃の地球

新しい太陽の周りを旋回しながら惑星系へと纏まっていった。(デイアという惑星が地球とぶつかって粉々になった)数百万年にわたり地球には土星のような輪がいくつもあった。やがてその輪が合体してが誕生した。(46億年前)その後地球は冷え大気中の水蒸気が雨となりが出来た。

・コンロで煮えたぎる鍋のように地球を沸騰させ続ける中心核、地上に上昇した熱はバラバラになった地殻すなわち構造プレートは動き続けぶつかったり、ずれたり下に潜り込んだりして海底に深い溝をうがち、山を高くせり上げ、地震や火山の噴火を引き起こし新たな陸地を作り上げる。地殻が深海から奥深くへと吸い込まれて行き形を変えて地表へ戻ってくる。(ダイヤモンドの原石など)

・生命の誕生

最古の生き物は、岩の間の薄膜に過ぎなかった。石鹸の泡のような細胞が秩序のない泡を駆逐して繁栄し、生命のない世界に立ち向かったのだ

・30億年の支配者

生命は、暗闇の深海から水の表面に広がっていってやがて地球上の生命の誕生(礁)~ 池に浮いている藻(青緑色)

・宇宙で最も危険な物質 ~ 酸素(酸化作用がある)

「光合成」:大酸化イベント ~ 水から水素と酸素に分解

・終末論的な災害 ~ 「氷河時代」

・驚異のバクテリア(細菌)最も洗練された生命体(腸内環境を整える)

・真核生物の細胞が集まって多細胞生物が出現

遺伝物質の交換を「生殖」と呼ぶ。

2章 生物の大集合

超大陸の分裂

温室効果で地球が暖められる。しかし炭素がなくなると地球は冷えて「氷河時代」になる。「海綿」が誕生する。

クラゲやミミズは口や肛門を使ってプランクトンを食す。

・三葉虫はすごい(カンブリア紀)

貝殻や骨格の材料としてのカルシウムが海中に出現した。

3章 背骨のはじまり

・脊椎動物の進化 ~ 人間はとても大きな脊椎動物

4章 渚に打ち上げられて

・シーラカンス ~ 四肢動物、繁殖のために水中に戻る。彼らはいつの日か、虫類、鳥類、ほ乳類へと進化

5章 羊膜類あらわる

・陸地の奪還

パンゲア大陸の形成に伴なって起きた絶滅~四足動物たちは陸地に上に上がろうとして上がれない状態で一度も自ら出ることがなかった。

・ヒカゲノカズラと石炭

急速な成長で炭素が消費され、温室効果を減らし、南極の氷河を成長させる一因となった。光合成による大量の酸素によって、木が燃えて炭が発生した3億年後に石炭として「石炭紀」の由来7千万年の間に形成された

・両生類の繁栄

・サンショウウオのような小さな生き物(卵を産む生き物)

・水の支配からの脱却 ~ 種子の進化によって植物が水の支配から脱皮

・草食動物の奮闘

草食動物は大きくて動きが鈍く、絶えず何かを食べているのは、植物は消化が遅いためでもある。

・デイメトロドンの背中の帆 ~ 体温調節と歯の発達

・樽型の生物(ほ乳型爬虫類)~ 競争が激化した世界

パンゲア大陸の最大時(大地が一つの陸地に纏まった)

陸上では、南北両極の生物たちが、混合し合い競争が激化し、陸と海の生物に大きな影響を与え、多くの種類の動物が絶滅していった。

・マントル・プルームの上昇により熱帯雨林がマグマの大釜に変わり溶岩と有害なガスで温室効果を高め、海を酸性化しオゾン層を破壊し、紫外線に対するシールドを低下させた。尚、中国のマントル・プルームは前菜に過ぎず、メインデッシュは大規模でにじみ出た溶岩は、厚さ数千メートルの玄武岩で覆い尽くし地球気温を数度も上昇させる温室効果をもたらす二酸化炭素であった。さらに北極海の地下に氷結していたメタンガスが大気中に噴き上がり、世界は焼け付いた。

・棘皮動物(ヒトデ、ナマコ、ウニ)腕足類(二枚貝に似た)は絶滅し、現在はザルガイ、イガイ、ホタテなどの二枚貝が散在している。

・生命は戻ってくる

「地獄門は中国で開き、シベリアで盛大に開け放たれ、全ての生命を吸い込んだ。しかし、生命は戻ってくる。

6章 トライアシック・パーク

・カエルと並んで活躍したのはカメ類(三畳記)

「ワニ、トカゲ、ヘビ」~ 空への進出(最古の恐竜たち)

・5トンの怪物(テイラノサウルス・レックス)

恐竜が巨大化した秘密は彼らの空冷装置にあった。大量のエネルギーを獲得して消費するためには、大量の酸素を消費する組織へとすることが不可欠であった。

7章 空飛ぶ恐竜

・脊椎動物は産卵する。

これは恐竜が胎生という労力から解放されることを意味する。

・恐竜空へ飛び出す

小型化した肉食恐竜はさらに進化し、羽が増えていった。(体温を保つため)そして鳥類になった。尚、小型ほ乳類はパラシュート飛行をした。宇宙からの衝突に何回も遭遇しその都度クレーターを作ってきた。一億六千万年前のジュラ紀の後期に小惑星帯で衝突が起こり、太陽系の内側に散らばっていった。これにより、恐竜たちは絶滅し、巻貝やアンモナイトも絶滅した。しかし、生命は不死鳥の如く蘇った。

8章 素晴らしき、ほ乳類たち

・鼓膜の誕生 ~ 四肢動物(野外の音響環境に適応するために)

・クジラは海へ ~ (ジュゴン、ナマテイ)

・有袋類 (ナマケモノ、アリクイ、アルマジロ)

9章 猿の惑星

・南極の長い冬の夜:永続的な氷冠

北極にも永続的な氷河が誕生

・奇妙な新しい贈り物 : 平原には、サイ、馬、ゾウ

・類人猿の鳴き声 : サルが類人猿に

「猿の惑星」やがてオランウータンになる。

・直立歩行のはじまり ~ 寒冷化しゆく気候はサルを類人猿に

さらに人類への長い旅路の第一歩を踏み出した。

霊長類の直立歩行はアフリカで始まった。

・腰痛が大きな悩みの種

ヒト族は類人猿と同じく尻尾がないため難しい方法で二足歩行。

人類は充分に適応できていないようだ。自然な優雅さと動きを真似できるロボットは未だ創られていない。

10章 世界を股にかける

・太陽の周りの地球の動き方の変化(小さな変化の積み重ね)により、南極北極が極寒の寒さに閉じ込められた。

・時には近く、時には遠く(離心率)

円からのズレ(楕円)~地球の軌道は、ゆっくりと呼吸しているようなものなので、一回吸って吐き出すのに10万年かかると云われる。

そこで気候の変化が生じてくる。(木星と土星からの重力の影響も手伝って、楕円の伸び縮が生じる。

地軸の傾き(23.⒌度傾く)~(21.8~24.4の平均値)

季節の移り変わりも地球が気候帯に分かれるのも、全て地軸の傾きによる。(地球と太陽との距離の違いではない)

ポラリス(北極星)~ 歳差運動(傾いた地球の極軸の旋回)

・10万年ごとの寒波

  氷の中に海水が閉じ込められたおかげで海水面は現在より120m低い。現在温暖期を迎えてから1万年経過、200万年前より海面は高くなっている。

・ホモエレクトウス

二足歩行へのこだわり、走ることが非常に重要になった。毛の量は変わらないが細くて短い(毛深い動物にはできない事をやっていた)又、火を使うことで長生きできた。そして孫を養育するため「つがいの絆」「配偶システム」を構築した。

・「つがいの絆」と不倫

ヒト社会の道徳観念や性的習慣は、鳥類との共通点が多い。その意味では、私たちによく似ていたが非人間的で、例えば死後の世界という概念がなく天国地獄と云った想像もなく祖母の存在がなかった。

・各地に進出するホモエレクトウス

元は陸続きであった大陸が海水の上昇により、本土より切り離された島々に閉じ込められ独自の進化を余儀なくされた。

・ネアンデルタール人の繁栄

思いやりがあり、思慮深かった。(死者を埋葬した)だが広範囲には広がらなかった。

11章、先史時代の終わり

・生命の繁栄

長い氷河期に氷に覆われていなかったユーラシア大陸は、緑豊かな大草原にバイソンの群れ、この群れに馬、鹿が加わりマンモスやマストドンなどの象、サイの足音と鼻息が聞こえてきた。多くの動物が移動する中、トナカイ、ライオン、熊、タイガー、ハイエナ、オオカミなどの肉食動物そしてホモ・エレクトウスの後継者たちの登場。

・脂肪を蓄える目的

人間は寒さに対応するために必要な断熱材としてしっかりと蓄えた。

・生殖と寿命の間(更年期障害は人間特有の進化革新)

孫を育てるのを手伝う「おばあちゃん」の出現

子育て人材を活用できない集団は、絶滅していった。

人間は学ぶだけでなく教えることが出来る唯一の動物だと思われる。

それらを可能にしたのが長老たちだ。30万年あまり前新しいホモ族が出現し大陸全土に散っていった。当に私達自身の種、ホモ・サピエンスのはじまりだった。遺伝子プールを獲得した多くの親を持つ種であり、実際にはほとんど死に絶え種はほぼ消滅してしまった。だが旅の途中でアフリカ内外の外のホモ族のDNAを取り入れ最終的成功した。

・ホモ・サピエンスの進出

醜いアヒルの子のように7万年もの間マカデイカデイ湿地に隠れていた。そしてようやく姿を現したときには白鳥になっていた。

・スマトラ島のトバ山の噴火(壊滅的な噴火)

海岸に向かって移動する人類(アラビア南部、インド、東南アジアへ

現代人はネアンデルタール人のDNA、東南アジアではデニソワ人の遺伝子をプールしていた。

・洞窟壁画と儀式:豊穣と多産の重要性を訴えた

12章、未来の歴史

・ホモ・サピエンスの絶滅の可能性

・到来する氷河時代

人類は狩猟民、採集民である。(一人占めする人類)

約300年前の産業革命以降(石炭を利用し始めたころ)石油を発見、そして現在。今後大きく展望するに、数千年の間にホモ・サピエンスは消滅するだろう。原因は、生息するのに都合の悪い環境を積極的に作ってきたからだ。生息地喪失による絶滅負債、少子化、他の集団から孤立する問題などが組み合わさって人類は滅亡する。

・大氷河時代の再来

最終的に余分な二酸化炭素がなくなると、新生代のような大氷河時代がやってくる。次々と死に絶える。

・地球の歴史と二酸化炭素

<二つの事柄>

  • 大気中の二酸化炭素が減少してゆく
    • 太陽の明るさが着実に増してゆく

・温室効果の恩恵を受けられなくなった世界とは?

3億年も続く氷河時代へと突入し、全世界が氷に覆われる。

生命は、深海や地中に集中する(細菌やナラタケなどの菌類)

・約8億年後の未来

  生命がその身を置く地球環境の変化にうまく適応している。

エピローグ

・ホモ・サピエンスが特別なわけとは何か。

自分たちが世界に与えてるダメージを自覚し、それを軽減するための手段を講ずることが出来る自分の立ち位置を意識するようになった唯一の種。

・人類の課題

富のないことよりも富の不平等がもたらす弊害へと議論は移っている

戦争について、この非人間的な恐怖に普通の人間はどう立ち向かうことが出来るのか。

・「導きとなる二つの光」

  • 「小さく輝く共同体」 ②「星の冷たい光」であり、世界大戦のようなものは、宇宙に比べれば無視できるのだという。

“だから、絶対に絶望してはいけない。地球は存在し、生命はまだ生きている”

<注釈>

・オーストラリアが北上するにつれ、ジャワ島が下向きに歪み水没

・10代の若者の事を考えよう。彼らの良心は、身近な秩序を犠牲にして高まっている。

・生物には、炭素の原子に関係する独特な化学反応がある。

40億年以上前の生命がその痕跡を留めているものがある。

このジルコン結晶には、炭素12が含まれていて地球上の生命が遥か昔に誕生したことを示唆し、その起源は最古の岩石より古い。

・単細胞の真核生物には、アメーバーやゾウリムシ、マラリア、などの病気の原因となる多くの生物が含まれる。

「性」は「性別」とは全く異なるものだ。最初は、ほぼ同じ大きさの性細胞を作り出した。一方で「交配タイプ」が卵と呼ぶ大きな性細胞を少量生産し、もう一方は、「精子」と呼ばれる小さな性細胞を大量生産した時「性別」が登場した。

・プレートテクトニクスは数億年ごとに集合し超大陸となる。

地下からマグマが穴を開け再び分離活動する。

・プランクトンは、光合成する藻類が作り出す。

・動物の硬い部分は、必ずカルシウムの化合物でできている。

・節足動物は、圧倒的に成功した動物群を構成している。

昆虫類、甲殻類、ヤツデ、ムカデ、クモ、サソリ、ダニ、カブトガニ、三葉虫、

・脊椎動物がなぜリン酸カルシゥムを選んだのかは不明だ。

以上